アイゴ~~満載母。
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読書会に参加している方々には体験談としてお話したのですが、
ここにはそれより多くの方々が訪問してくださるようなので、ここに書き留めたいと思います。
5月に実家に里帰りしていた時の話しです。
一昨年父が無くなり、実家では母が一人暮らしをしています。
今では私が親で母が子供のような関係で、年も22歳しか離れていないので姉妹のような親子です。
母娘は似ているもので、母の何でこうなんだろう?という部分は、私の何でこうなんだろう?に
つながる部分が多いので、私が実家に帰る時は、その部分を見てやろう!!という気持ちで帰ります。
安物をいくつも買って、物にあふれかえり、いつも探し物をしている姿は私も似ていて、お陰さまで
韓国に帰るたびに心を新たにして、物を捨てたり、安物だからと買わないように自制するようになりました。
そんな母と外出した時のことです。駅ビルにガラス張りのとてもおしゃれなパン屋さんがありました。
母はいそいそと一人でそのパン屋に入って行きました。
私は外からガラス越しに母の買い物姿を見ていました。
私の目の前に、バナナののったデニッシュパンと、チョコデニッシュが並んでいるのが見えました。
母はチョコデニッシュを買おうと近づいてきました。
バナナデニッシュが美味しそうだな・・・と思った私は、トングを持って悩んでる母に
「これ、これ!これ買って!!」と指差しながら大きな口で言いました。
こちらを見た母は、目の前で手をヒラヒラさせながら「だめだめ!」と言って、向こうに行ってしまいました。
ところが、一周回ってパンを3つ選んだ母は、やはりチョコデニッシュが気になったようで、
こちらに向かってきました。
私はまたさっきと同じように「これ買って!!」と指で指しました。
母は同じように「だめだめ!!」と言って、横にあるチョコデニッシュを一つ取りレジに向かいました。
私は母が出てくるのを待ちながら、今の一連の出来事を心に留めました。
いそいそと店から出てきた母と電車に乗り家に帰りました。
買ってきた4つのパンをすべて半分に切り、二人で食べました。
食べ終わった瞬間「美味しいと思って買ったのに、そうでもなかったね。」と母が言いました。
私は「今だ!!」と思い「私が買いたかったバナナデニッシュが美味しかったかもよ。」と穏やかに言いました。
母は、何かを悟ってくれたかな・・・それは、私の淡い期待です。
もういい年の娘が、年に何回か日本に帰ってきて、あっちのパン屋こっちのパン屋と美味しいと聞くと
走り回って買いに行っている娘を見ていた母親は、どうして120円のパン一つを頑なに買わなかったのでしょう?
小さい時から、飽きっぽくなるからという理由で、習い事は一つしかやらせて貰えませんでした。
時々はお金が無いから・・・自分で稼ぐようになったらやりなさい。とも言われて・・・。
父は毎晩のように酒を飲み、タバコを吸い、母はその当時高かった習い事をあれこれやって、
義父母、義兄弟には湯水のようにお金を使っていたのにもかかわらず・・・。
だから、韓国にまで嫁に来ちゃったよ・・・。逃げて来ちゃったよ・・・。正直、一時はそう思ったこともありました。
今は、お陰でいろいろ学べたと思っていますし、ネタにもできて良かったねと思っていますが・・・。^^
だから、この出来事も私にとっては、自分を知る良いきっかけでした。
私は子供がいなくて良かった・・・。もしいたら、もっと壊していたかもしれない・・・。そう思えます。
そんな母が、バナナはこっちから剥くのよ!!と下の黒い部分から剥いていて、
母の実家で親戚一同から、おかしいよ~~!!と言われました。
それでも自分が正しいと言い張った母は、アイゴ~~~!!満載で、学びどころ満載です。